高温高圧法
HPHT法は、天然ダイヤモンドが地球内部で形成される際の高温・高圧環境を再現する方法です。
小さなダイヤモンドの種結晶と炭素源を特殊な装置内に置き、高温・高圧の環境をつくることで、炭素が種結晶の周囲に結晶化し、ダイヤモンドへと成長していきます。
天然石とラボグロウン・ジェムストーンは、本質的に同じ化学組成、結晶構造、物理的・光学的特性を持っています。異なるのは、宝石そのものではなく、生まれる場所と、その形成過程です。
天然石は、地球内部で長い地質学的時間をかけて形成されます。一方、ラボグロウン・ジェムストーンは、結晶が成長するために必要な条件を再現した、管理された環境の中で育てられます。
それは、天然石を似せて作った模造石ではありません。
異なる起源を持つ、本物の宝石です。
天然石とラボグロウン・ジェムストーンの違いは、その「起源」にあります。
天然ダイヤモンドは、地球内部の高温・高圧環境のもとで形成されます。一方、ラボグロウン・ダイヤモンドは、炭素原子がダイヤモンドとして結晶化するための条件を、管理された環境で再現することによって育てられます。
その結果として生まれる物質は、どちらも結晶化した炭素、すなわちダイヤモンドです。
カラーストーンも同様です。ラボグロウン・エメラルドは天然エメラルドと本質的に同じ化学組成と結晶構造を持ち、ラボグロウン・ルビーやサファイアも、天然石と同じくコランダムに属します。
だからこそ、宝石学の世界ではラボグロウン・ジェムストーンと模造石は明確に区別されています。
本質的な違いは、宝石そのものではなく、その起源にあります。
「ラボ」という言葉から、人工的なもの、あるいは天然石に似せて作られたものを想像する方もいるかもしれません。
しかし、ラボグロウン・ジェムストーンと模造石は異なります。模造石とは、ある宝石の外観に似せるために、別の素材から作られたものです。例えばキュービックジルコニアやモアサナイトは、ダイヤモンドに似た輝きを持つことがありますが、その化学組成や物理的特性はダイヤモンドとは異なります。
それに対して、ラボグロウン・ダイヤモンドは、ダイヤモンドそのものです。
| 天然ダイヤモンド | ラボグロウン・ダイヤモンド | モアサナイト | キュービックジルコニア | |
|---|---|---|---|---|
| 素材 | ダイヤモンド | ダイヤモンド | 炭化ケイ素 | 酸化ジルコニウム系 |
| 主成分 | C | C | SiC | ZrO₂系 |
| モース硬度 | 10 | 10 | 9.25 | 約8.5 |
| 起源 | 天然 | ラボ | ラボ* | ラボ |
*ジュエリーに使用される宝石品質のモアサナイトは、一般的にラボで製造されています。
ラボグロウンは「起源」の違い。模造石は「素材」そのものが異なります。
現在、宝石品質のラボグロウン・ダイヤモンドを育成する代表的な方法には、HPHT法とCVD法があります。アプローチは異なりますが、考え方は共通しています。それは、炭素がダイヤモンドの結晶構造へと成長するために必要な環境をつくることです。
HPHT法は、天然ダイヤモンドが地球内部で形成される際の高温・高圧環境を再現する方法です。
小さなダイヤモンドの種結晶と炭素源を特殊な装置内に置き、高温・高圧の環境をつくることで、炭素が種結晶の周囲に結晶化し、ダイヤモンドへと成長していきます。
CVD法では、薄いダイヤモンドの種結晶を、炭素を含むガスで満たされた制御環境の中に置きます。エネルギーを加えることでガスから炭素原子を取り出し、それらを種結晶の上へ少しずつ堆積させることで、ダイヤモンドを層状に成長させます。
異なるプロセス。
そこから生まれるのは、同じダイヤモンドという結晶です。
テクノロジーは、ダイヤモンドの「見た目」を再現するのではありません。ダイヤモンドが「育つ環境」をつくります。
この考え方は、ダイヤモンドだけに限られるものではありません。MIRAでは、エメラルド、ルビー、サファイアをはじめ、天然石と本質的に同じ化学組成と結晶構造を持つラボグロウン・カラーストーンを使用しています。



天然エメラルドもラボグロウン・エメラルドも、ベリル(緑柱石)という鉱物グループに属します。その基本的な化学組成は、
エメラルド特有の美しいグリーンは、結晶が成長する過程で取り込まれる微量元素によって生まれます。天然エメラルドは複雑な地質作用の中で形成されるため、その過程で生じたインクルージョンや微細な亀裂を多く含むことがあります。一方、ラボグロウン・エメラルドは、より管理された環境で成長することで、美しい色彩と透明感を実現することができます。
それでも、どちらも同じエメラルドです。
ルビーとサファイアは、どちらもコランダム(鋼玉)という鉱物に属し、その主成分は、
結晶に含まれる微量元素の違いによって、ルビーの鮮やかな赤、サファイアのロイヤルブルー、ピンク、イエローなど、多彩な色が生まれます。
地球内部で形成されたものでも、ラボで育てられたものでも、その鉱物としての本質は変わりません。
MIRAにとって、ラボグロウン・ジェムストーンは、何かの「代替品」ではありません。それ自体が、新しいクリエイションを可能にする素材です。
ファインジュエリーの世界は、長い間「希少性」によって形づくられてきました。天然石において、鮮やかな色、高い透明度、そして大きなカラットを同時に備えた宝石は、極めて限られています。
ラボグロウンという技術は、そこに新しい可能性をもたらします。
スケール、色彩、プロポーション、そしてこれまでにない宝石の組み合わせ。希少性に合わせてデザインを制限するのではなく、デザインのために宝石を選ぶ。
大胆なスケールで魅せる、鮮やかなエメラルド。
緻密に選び抜いた色彩が連なるサファイア。
MIRAのデザインのために生み出される、独自のダイヤモンドカット。
その自由があるからこそ、MIRAは現代のラグジュアリーにとって本当に大切なものに向き合うことができます。デザイン、クラフツマンシップ、品質、個性、そして身につけたときに生まれる特別な体験。
過去のラグジュアリーを小さくしたものではなく、ファインジュエリーの新しい可能性。

ラボグロウンだからといって、すべての宝石が同じ品質というわけではありません。天然石に色、透明度、カット、そして美しさの違いがあるように、ラボグロウン・ジェムストーンにも大きな品質差があります。
MIRAにとって、起源は宝石選びの出発点にすぎません。一石一石の色、透明度、プロポーション、カットを確認し、最終的にはジュエリーとして仕立てたときに、どのような美しさを生み出すかを見極めます。
ラウンド・ブリリアントカットのダイヤモンドでは、カット、ポリッシュ、シンメトリーにおいて厳格な基準を設けています。メインストーンには、高い透明感と美しい輝きを持つ石を厳選します。
カラーストーンでは、何よりも色彩を重視します。色相、明度、彩度、透明感、そして作品の中で隣り合う宝石同士の調和まで、一つひとつ見極めます。
宝石は、スペックだけで選ぶものではないからです。
MIRAが選ぶ基準は、美しさです。
MIRAは、宝石の起源が曖昧であってはならないと考えています。
使用するラボグロウン・ジェムストーンについて、その起源を明確に表示し、対象となるジュエリーには、必要に応じてIGIをはじめとする第三者宝石鑑定機関によるレポートを付属しています。
IGIでは専門的な宝石学検査を通じて、天然石、ラボグロウン、模造石を識別しています。
さらにMIRAのジュエリーには、作品固有の識別番号を記載したMIRAブランド証明書をお付けしています。
新しいラグジュアリーは、透明性から始まると私たちは考えています。
